2012年3月7日水曜日

本日の記事(3月7日)

福島で土壌浄化実験 イネ科の植物活用


 イネ科の植物「ソルガム」の品種研究や育種を手掛けるアースノート(名護市、徳永毅社長)は、福島第1原発事故で汚染された土壌を浄化する実証実験を先月下旬から、福島県内で始めている。ソルガムは昨年、同県内で実施した実験でヒマワリの50~200倍、放射性セシウムを吸収する品種の存在が判明しており、5年間かけて浄化システムを確立する。農産物をバイオエタノールやバイオマスに利用する「エネルギー農業」の定着も目指す。

 東北農業支援ネットワークが昨年10月に設立。ソルガムで土壌を浄化し、サトウキビ並みの糖度の搾汁液でバイオエタノールを生産、残さをバイオマスに利用する。発電システムと結び付けた循環型の地域エネルギーシステムも構築する。

 同社は東京大学や名古屋大学などと共同で放射性セシウムを効率的に吸収し、生産性の高いバイオエタノールの品種の分析や改良をする。実験では福島県須賀川市にある岩瀬牧場内の2・7ヘクタールで吸収メカニズムを調査し、効果的な土壌浄化方法を確立する。

 国は農地の除染方法の一つに汚染土壌の除去を掲げているが、農地の栄養素は表土から数センチの範囲内に多く含まれるため、再生には長期間かかるとされている。原発事故の風評被害を受け、食用以外の農産物生産も求められており、ソルガムを軸とした循環システムの確立は離農を防ぐ効果が期待できる。

 同社によると、計画的避難地域や作付け制限の対象となっている田畑は約9200ヘクタール。2015年には2100ヘクタールでソルガムの栽培を目指す。徳永社長は「有用な品種を研究し、土壌浄化と同時並行で進めていく。福島の農業を再生させたい」と力を込めた。


沖縄タイムス
2012年3月7日

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-07_30734/

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